驚くべき健康効果!梅干しの隠された力

先日、炎天下でソフトボールをして少し日射病気味になった時、不思議と梅干しが食べたくなりました。普段はあまり食べないのですが、その時は一気に3つも食べてしまったのです。しかも、自家製の梅干しがいつもより格別に美味しく感じました。食べた後はすっきりと回復し、その効果に驚いたことがきっかけで、梅干しの健康効果について調べてみました。

目次

梅干しの驚くべき特性

梅干しには以下のような素晴らしい特性があります:

  1. 酸っぱいけれどアルカリ性食品:梅干し自体は酸性ですが、体内では代謝後にアルカリ性になります
  2. 豊富なクエン酸を含有:疲労回復に効果的です
  3. ビタミン17(アミグダリン)を含む:がん細胞に対して特殊な効果があるとされています

まさに「健康請負人」と呼べるほど、体にとって優れた食品なのです。

梅干しはなぜアルカリ性食品なのか

梅干しはリトマス試験紙で調べると酸性で、食べると酸っぱいと感じます。しかし、食品分類上はアルカリ性食品に分類されます。これはどういうことでしょうか?

食品のアルカリ性・酸性の分類は、その食品を燃やした後に残る灰を水に溶かした時のpHで判断されます。梅干しの場合、燃やした後の灰がアルカリ性を示すため、アルカリ性食品と呼ばれるのです。このような灰に含まれる成分が血液中に入ると、血液のアルカリ性度合いを強めることになります。つまり、食べ物自体の酸性・アルカリ性ではなく、体内での代謝後の状態が重要なのです。

酸っぱい成分で活力を取り戻す

梅は他の果物と異なる強い酸味が特徴で、日本には奈良時代に伝わったとされています。梅の主成分であるクエン酸には、エネルギー代謝を高めて疲労回復効果をもたらすだけでなく、強力な殺菌効果もあり、腐敗防止や食中毒予防にも役立ちます。そのため、昔から日の丸弁当や梅おにぎりが存在していたのですね。

『からだにおいしいフルーツの便利帳』(三輪正幸監修、高橋書店)によれば、梅には以下のような効果があります:

  • 傷みには梅酒湿布:古くから民間療法として腰痛、神経痛、リウマチの治療に利用されてきました
  • 血流改善効果:梅干しは血液を弱アルカリ性にし、サラサラにします(加熱すると効果が上がりますが、塩抜きすると効果が下がります)
  • 美容効果:クエン酸の整腸作用と新陳代謝促進作用により、皮膚のハリやツヤの維持、老化防止も期待できます

「梅は三毒を絶つ」と「梅はその日の難逃れ」

『果物の真実』(間苧谷徹編著、化学工業日報社)では、梅についての古くからの言い伝えについて説明しています。「梅は三毒を絶つ」という言葉は、食べ物の毒・血液の毒・水の毒を抑える効果があることを意味します。

梅にはクエン酸、リンゴ酸が豊富に含まれています。クエン酸には解糖系抑制作用があり、炭水化物と一緒に摂取するとグリコーゲンを効率的に蓄積できるため、疲労回復に役立ちます。また、クエン酸とリンゴ酸にはカルシウム吸収促進効果もあります。カルシウムは胃では胃酸の働きにより可溶化していますが、小腸のアルカリ性環境では不溶化しやすくなります。クエン酸やリンゴ酸とカルシウムの複合体は、アルカリ性の条件でもカルシウムの可溶化率が高いことが知られています。

梅干しを食べたときはもちろん、想像しただけでも唾液が出てきますが、この唾液に含まれる酵素には変異原性物質の作用を抑制する効果があります。また、梅肉エキスには強力な抗菌作用があり、腸内で胆汁酸との相乗効果で多くの悪性細菌に対して抗菌作用を示すと考えられています。

梅肉エキスや梅仁(種子)には抗変異原性作用があり、その有効成分はオレイン酸やリノール酸などの脂肪酸であることが示されています。また、梅肉エキスからは「ムメフラール」という血流改善に有効な成分も発見されています。

『野菜&果物図鑑126』(監修:ファイブ・ア・デイ協会、若宮寿子、新星出版社)によれば、梅干しは以下のような効果があります:

  • 有機酸の宝庫で疲れを撃退:クエン酸やリンゴ酸、コハク酸、酒石酸などの有機酸が梅の主成分で、疲労物質の乳酸を分解してエネルギーに変え、血液の流れを活発にして疲労を解消します
  • 唾液の分泌促進:梅干しを口にすると唾液が増えますが、唾液には老化防止のホルモン「パロチン」やデンプン質の分解を促す「アミラーゼ」が含まれています

注意点:アミグダリンについて

梅の実には青酸配糖体であるアミグダリンという成分が含まれており、これが胃腸などで酵素によって加水分解されると猛毒のシアン化水素(青酸)を生成します。これは特に仁(種子)の部分に多く含まれるため、「梅は食うとも核(さね)食うな、中に天神寝てござる」という格言があります。ただし、漬け込むことでアミグダリンはほぼ消失し、梅干しとして食べても人体にはほとんど影響がないとされています。

まとめ

日本の伝統食である梅干しは、素晴らしい健康食品であることがわかりました。しかし残念ながら、現在では自家製の梅干しを作る家庭が減り、添加物入りの市販品が主流となっています。醤油や味噌と同様、伝統的な食文化を失うことは、健康を失うことにつながるかもしれません。

できれば無農薬の梅と自然塩で漬けた自家製の梅干しを食べるのが理想的です。自家製の梅干しには確かに特有の酸っぱさがありますが、同時にほのかな甘みや旨味も感じられ、市販品にはない魅力があります。

梅干しの素晴らしい健康効果を考えれば、自家製で漬け込む価値は十分にあると言えるでしょう。

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この記事を書いた人

地方の中小企業二代目社長。変化の波にもまれながら、社員と共に会社を成長させるべく奮闘する日々を送っています。

このブログでは、私自身が経営者として経験してきたこと、そして中間管理職の皆様が日々の業務で直面するであろう様々な課題に対するヒントを発信していきます。

世代間のギャップ、部下の育成、上司とのコミュニケーション、そして自身のキャリアアップ… 中間管理職の役割は多岐にわたり、その苦労は計り知れません。

時には悩み、壁にぶつかりながらも、なんとか乗り越えてきました。そんな経験を踏まえ、少しでも皆様のお役に立てるような情報を提供できればと思っています。

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