感染症とカンジダ菌 日和見菌との上手な付き合い方

感染症とは、ウイルスや細菌などの病原性の微生物が体内に入り込んで増殖し、発熱や下痢などさまざまな症状を引き起こす疾患です。感染症を引き起こす病原体には以下のような種類があります。

ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIVなど

細菌:ブドウ球菌、大腸菌、腸管出血性大腸菌(O-157)、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、結核菌、レンサ球菌など

真菌(カビ):白癬菌(水虫・陰金・田虫)、カンジダ、アスペルギルスなど

原虫:エキノコックス、アニサキス、マラリア原虫など

目次

カビ(真菌)とは何か

「カビ」とは真菌の仲間で、糸状構造を持つことから「糸状菌」とも呼ばれる微生物です。地球が誕生して約45億年、30数億年前にはすでに生まれていたとされています。

カビは本来、土の中に生息しています。しかし、その生活環の中で胞子となって空気中を自在に移動し、湿気と温度、栄養が揃った場所ならどこでも着床・発芽・成長することができます。

カビの一生は小さな胞子に始まり、植物のように発芽して細胞分裂しながら成長します。やがて菌糸が十分に伸びて成熟すると、新たな胞子を作って空気中に放出し、風や動物によって移動して新たな場所に着床します。そこでまた発芽と成長、胞子飛散を繰り返すのです。

私たちは知らず知らずのうちに、カビ胞子を吸い込んで生活しています。住まいの中には、カビが好む栄養となる汚れ、適度な温度、湿気の揃った場所が多く、特にお風呂はカビが最も発生しやすい環境です。

カンジダ菌について

カンジダ菌は小腸などの臓器に住んでいるイースト菌(酵母菌)の仲間です。誰の体にも住み着いている常在菌であり、善玉菌の餌でもあります。ですので、決して凶悪な菌ではなく、一定量の存在は必要なのです。

カンジダ菌は「日和見菌」と呼ばれています。日和見とは「有利なほうにつくこと、形勢をうかがうこと」という意味で、善玉菌と悪玉菌のどちらか強くなったほうに味方する菌です。

腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが良い状態であれば、体は健康を維持できます。しかし、食生活の偏りなどで善玉菌が減少したり、カンジダ菌の好物である糖質を多く摂取したりすると、カンジダ菌が異常に増殖し始めます。

カンジダ菌が過剰に増えると、ガスや毒素を放出して腸管を傷つけ、腸の壁に穴を開けてしまいます。これがいわゆる「リーキーガット症候群」で、カンジダ症はこの症候群と密接に関連しています。

カンジダ菌が関与する可能性のある症状

カンジダ菌の異常増殖によって、以下のような症状が引き起こされる可能性があります:

  • アトピー性皮膚炎、じんましんなどのアレルギー疾患
  • 慢性的な疲労、倦怠感、関節痛、肩凝り
  • めまいや耳鳴り、頭痛
  • 難治性の口内炎や歯周病
  • 膀胱炎の頻発
  • リーキーガット症候群
  • うつ病や不眠症
  • 過敏性大腸炎、頻尿、慢性鼻炎、蓄膿症など

カンジダ菌が増える原因

腸内でカンジダ菌が異常に増殖する主な原因には以下があります:

  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • 糖分の過剰摂取(特に精製された砂糖)
  • 人工甘味料や食品添加物の摂取
  • アルコールの過剰摂取
  • 抗生物質、経口避妊薬、ステロイド薬の使用
  • 重金属の体内蓄積
  • これらの要因による免疫力の低下(体内の酸化)

カンジダ菌への対処法

1. カンジダ菌を退治する

重曹やココナッツオイルにはカンジダ菌を殺菌する作用があります。ココナッツオイルが健康に良いと言われる理由の一つです。一方で、安価なヘキサン抽出の植物油は避けるべきでしょう。

2. 腸内に善玉菌を繁殖させる

本物の自然発酵の麹味噌を摂取することが効果的です。秋山辰一郎氏の著書『体質と食物―健康への道』によれば、味噌汁はアルカリ体質を作る働きがあり、酸性化しがちな体を中和させる効果があるとされています。本物の味噌の麹菌には、カンジダ菌を抑制する作用があるようです。

3. 腸を傷つけるものを避ける

  • 精製炭水化物(白砂糖、白小麦、白米など)はカンジダ菌の栄養源となるため、できるだけ摂取を減らしましょう
  • 乳製品も控えるべきです
  • パンに使われるイースト菌はカンジダ菌と同じ酵母菌のため、カンジダ菌を増やす可能性があります
  • アルコールは肝臓に負担をかけ、腸の炎症を悪化させるため適量を心がけましょう
  • カフェインの過剰摂取は血糖値を上昇させるため注意が必要です

4. 腸を修復、癒やすものを摂取する

  • 納豆、醤油、味噌、漬物などの発酵食品を積極的に取り入れる
  • 不溶性と水溶性の両方の食物繊維をバランスよく摂取する(比率は不溶性2:水溶性1程度が理想的)
  • オリゴ糖を含む食品(リンゴ、バナナ、たまねぎ、ごぼう、ニンニクなど)を食べる
  • 腸のぜん動運動を促進する適度な運動を行う

まとめ

カビやカンジダ菌などの微生物は、私たちの体内外に常に存在しています。健康な人の体はアルカリ状態で免疫力が高いため、これらの微生物が異常増殖して病気を引き起こすことはありません。

重要なのは、カビやカンジダ菌を一時的に取り除くことよりも、それらが増殖しにくい環境を作ることです。お風呂のカビと同様に、体内のカンジダ菌も、生えにくい環境を整えることが根本的な解決策となります。

日本の伝統的な住宅が通気性に優れてカビが生えにくいように、体内環境も自然な食材や生活習慣によって整えることで、健康を維持することができるのです。

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この記事を書いた人

地方の中小企業二代目社長。変化の波にもまれながら、社員と共に会社を成長させるべく奮闘する日々を送っています。

このブログでは、私自身が経営者として経験してきたこと、そして中間管理職の皆様が日々の業務で直面するであろう様々な課題に対するヒントを発信していきます。

世代間のギャップ、部下の育成、上司とのコミュニケーション、そして自身のキャリアアップ… 中間管理職の役割は多岐にわたり、その苦労は計り知れません。

時には悩み、壁にぶつかりながらも、なんとか乗り越えてきました。そんな経験を踏まえ、少しでも皆様のお役に立てるような情報を提供できればと思っています。

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