私は20年以上健康診断を受けていません。それは単なる怠慢ではなく、ある「気づき」に基づいた意識的な選択でした健康診断を毎日受けようと、病気になる確率が下がるわけでもないという考えに至ったのです。
医療技術が発展した現代社会において、健康診断や人間ドックは健康管理の基本とされています。しかし、その真の効果や意義について立ち止まって考えることはあまりないのではないでしょうか。
健康診断の限界と現実
健康診断の目的は病気の「早期発見」とされていますが、それが必ずしも健康の維持・増進につながるとは限りません。早期発見をしても、入院して亡くなられる方が多いという現実があります。発見したからといって必ず治るわけではないのです。
また、日本では検査や診断の精度が高まり、微細な異常も発見できるようになりました。その結果として、1994年の統計では人間ドックを受けた人の82%が何らかの異常を指摘され、67%が「精密検査や治療が必要」と診断されています。
この数字を見ると、日本は病人だらけの国なのでしょうか?実際はそうではなく、むしろ健康診断システムそのものに問題があると考えるべきでしょう。
標準値の罠
健康診断では様々な数値が「標準値」と比較されます。しかし、標準値とは統計的に割り出されたもので、100人を検査すれば80人程度がその範囲内に収まる数値にすぎません。つまり、健康な人でも20%は「異常あり」と診断される構造になっているのです。
人間の身体には「個体差」があります。わずかに標準値から外れていても、それは生まれつきの体質であって、必ずしも医学的な「異常」とは言えません。平均体重や平均身長のような統計的な数値をお手本として、そこから外れることを問題視する発想自体に無理があります。
健康は自己管理から
私がこの20年間で気づいたのは、病気は普段の食生活に気をつけ、自分自身で免疫力を上げることで防ぐ必要があるという点です。健康診断という「点」の検査ではなく、日々の生活という「線」の管理こそが重要なのです。
インターネットの普及により、様々な健康情報にアクセスできるようになった現在、多くの人が自己管理の重要性に気づきつつあります。真の健康とは、単に検査数値が標準内にあることではなく、心身ともに活力にあふれ、日常生活を豊かに送れる状態を指すのではないでしょうか。
医療システムの再考
現在の医療システムでは、優秀な人間ドックほど些細な「はみ出し」に敏感に反応し、「異常あり」の所見が増える傾向にあります。そして一度「異常あり」と診断されると、必要以上の投薬や治療が行われることもあります。
これは健康な人を「潜在的な病人」として扱い、医療システムに取り込んでしまう構造とも言えるでしょう。まさに、医者は病人の症状を悪化させるだけでなく、健康な人まで病気にさせようとしているのです。
自分の健康は自分で守る
健康診断を否定するわけではありません。しかし、その結果を絶対視せず、自分の体調や生活習慣を総合的に判断する姿勢が大切です。私自身は、健康診断は受けずに、病気にならない生活習慣を模索してきました。
その結果、20年以上にわたり重大な病気にかかることなく、健康に過ごすことができています。もちろん、これは個人的な経験に基づく見解であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
健康管理の方法は人それぞれです。大切なのは、与えられた情報を鵜呑みにせず、自分自身の体と向き合い、最適な選択をすることではないでしょうか。


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