最新の国立がん研究センターの統計によると、日本人男性の生涯でがんに罹患する確率は約62.1％（2人に1人）、女性では約48.9％（2人に1人）という驚くべき数字になっています日本人が一生のうちにがんと診断される確率は（2020年データに基づく）男性62.1%（2人に1人）女性48.9%（2人に1人）。この数字は、私たち現代人がいかにがんリスクに晒されているかを如実に表しています。
生活習慣の欧米化や環境の変化により、かつて少なかった種類のがんが増加傾向にあります。たとえば、日本人に特に多いがんとしては、大腸がん、肺がん、胃がんなどが上位を占めています。これらは罹患数も死亡数も高く、日本人の健康に大きな影響を与えています。
健康診断の本当の役割を考える
「健康診断を受ければがんにならない」という思い込みは、残念ながら根拠のない幻想です。健康診断は病気の発見のツールであり、予防法ではありません。加えて、検査方法によっては新たな健康リスクを生み出すこともあるのです。
バリウム検査のリスク：医療現場からの証言
健康診断の定番となっているバリウム検査（胃部X線検査）には、多くの医療専門家が懸念を表明しています。医療現場の実情として、医師や看護師はバリウム検査よりも胃内視鏡検査（胃カメラ）を選ぶ傾向があります。これはメリットよりもデメリットが大きいとの判断によるものです。
バリウム検査の問題点として最も深刻なのが放射線被曝です。胃バリウム検査は15～25mSyもの被曝量にもなり、胸部X線写真の150～300倍もの被曝量があります。さらに検診車で行う間接撮影ではさらに多くの被曝量になる場合もあります。
また、バリウム検査には以下のような問題点もあります：
- 早期がんの発見率が低い（特に初期の胃がんや食道がん）
- 検査の副作用（便秘、腹痛など）
- 偽陽性による不必要な二次検査の増加
「がんもどき」と医療の商業主義
医療機器の高度化により、微細な異常までも発見できるようになりました。しかし、これは必ずしも良いことばかりではありません。体内にはホクロのような良性の変化が生じることもあり、それを「がん」と診断するケースも少なくありません。こうした「がんもどき」を本物のがんと誤診して治療することで、実際にがん細胞が生まれる危険性も指摘されています。
医療の商業主義的側面も無視できません。技師などの力量により被曝量は大きく変わりますが、撮影時間が長いほど被曝量が増えます。病院経営の視点からは、検査や治療が増えるほど収益が上がる構造になっていることも理解しておく必要があるでしょう。
代替アプローチ：予防医学としての野菜スープ
病気になってから治療するよりも、予防に力を入れることが重要です。その一つの方法として注目されているのが「野菜スープ」です。
科学的根拠に基づく野菜スープの効果
現在、野菜スープの効果については、抗がん剤研究の権威である前田浩氏（熊本大学名誉教授）らが科学的な検証を行っています。前田名誉教授の本業は、副作用のない抗がん剤の研究で、ノーベル賞候補にも挙がった研究者です。
野菜スープの有効性について前田氏らの研究では、野菜の活性酸素を消去する働きは、生野菜をすりつぶしたものより、野菜を5分間煮出したゆで汁のほうが10倍～100倍強いことが明らかになっています。この強力な抗酸化力が、がん予防だけでなく、様々な慢性炎症の改善にも役立つと考えられています。
立石式野菜スープとその歴史
1990年代には「元祖野菜スープ強健法」という本が立石和氏により出版され、大きな反響を呼びました。この本には特定の造り方によるスープにより、万病に効果がある、特にガンが治るという言葉が踊り、社会に強烈なインパクトを与えたとされています。
しかし、その効果の表現が大袈裟だと問題視され、医師法違反等の疑いで著者は逮捕されるという事態に発展しました。一方で、かなりの人々が実際に病魔から救われたという声もまたありました。
まとめ：自分の健康は自分で守る
現代社会では、健康に関する情報があふれていますが、その全てが私たちの本当の健康につながるわけではありません。健康診断を受けるだけで安心せず、日常的な予防策を講じることが重要です。
バリウム検査などの放射線を使用する検査を受ける際は、そのリスクとベネフィットをよく理解し、必要に応じて胃カメラなどの代替検査を検討するのも一つの選択肢です。また、野菜を中心とした食生活や適度な運動など、生活習慣の改善が最も効果的な病気予防の方法であることを忘れないようにしましょう。
自分の健康は最終的に自分で守るものです。医療機関や検査に頼りすぎず、日々の生活の中で健康を維持する努力が、長期的な健康につながるのではないでしょうか。
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