健康情報が氾濫する現代社会において、「オメガ3は体に良い」という情報は広く浸透しています。しかし、メタ認知(自分の認知活動を客観的に捉える思考法)を用いて改めて調査すると、意外な事実が浮かび上がります。世間的に最高のステータスを持つ「医学」や「栄養学」が発信するお勧め情報こそ眉唾モノかもしれないのです。
食と健康の関係を考える上で、油脂の摂取は特に重要です。「油」が健康を決めるといっていいほど免疫力を大きく左右し、健康状態を落としている可能性があるという点を今一度検討する必要があります。
人類の食の変遷と脂肪酸
人類の歴史の中で、食事内容が大きく変わった時期は二度あります。その一つが約1万年前の「農耕革命」です。狩猟の縄文時代と、穀類、豆類の摂取が始まった弥生時代は食べ物が決定的に変わり、同時に人々の健康や社会も変化しています。
この農耕革命以降、人類は穀類や豆類に含まれる特定の脂質を大量に摂取するようになりました。農耕革命以降、穀類や豆類の過剰摂取によりそれらに含まれる「脂質」が猛毒のアセトアルデヒド(過酸化脂質)生成に関与し、脳や心、身体機能を歪ませた可能性が高いと考えられています。
脂肪酸の種類と健康への影響
脂肪酸は化学構造から大きく分類できます:
- 飽和脂肪酸:二重結合が無いもの
- 一価不飽和脂肪酸:二重結合が1つのもの
- 多価不飽和脂肪酸:二重結合を2つ以上(2~6個)含むもの
脂肪酸の構造において2重結合の有無が健康を左右する上では大きな境界線になります。特に注目すべきは多価不飽和脂肪酸で、これには「オメガ3」「オメガ6」が含まれます。
一般的に健康に良いとされるオメガ3系脂肪酸ですが、実は体に悪い順にすると、オメガ3>オメガ6>オメガ9になり、オメガ3がワースト1位になりますという考え方があります。
オメガ3油脂の問題点
魚油のDHAやEPA、亜麻仁油、紫蘇油、エゴマ油等のオメガ3は、体内で合成できないため必須脂肪酸として積極的に食べましょうと、飲むオメガ3や魚油(DHA/EPA)サプリメントなどが無数に販売されていますが、その危険性についてはあまり語られていません。
ここで問題となるのは、食品から抽出された油です。小さじ一杯の油を植物から搾り出すには想像以上の量の材料が必要ですが、一方で搾りカスは一切食べないという人類の食の歴史的観点から超不自然な食べ方です。
この観点からすると、人類のDNAには抽出した植物油は完全に代謝するプログラムがまだ備わっていない可能性があります。
オメガ3が免疫力を低下させるメカニズム
オメガ3系脂肪酸が免疫力に悪影響を与える理由は、その分子構造にあります。「不飽和」とは、化学結合が飽和に達していない状態で繋ぐ手が余っている状態、つまり長鎖(多価)不飽和脂肪酸は、酸素と非常に結びつきやすく酸化されやすい脂肪酸なのです。
特にオメガ3系脂肪酸は酸化されやすい性質を持っています。青魚は圧倒的に酸化されやすいのでよほど新鮮でない限り生食は難しいのはこのためです。また、亜麻仁油やエゴマ油、紫蘇油などは酸化されやすいので、「加熱せずにそのままスプーン一杯を毎日飲みましょう」などと良く聞きますが、たとえ加熱せずに食しても、どんなに新鮮でもこれらは体内での消化工程時にサクッと見事に酸化されてしまうのです。
アルデヒドと免疫機能
オメガ3系脂肪酸が酸化すると、アルデヒド類が生成されます。特に、魚油のEPA/DHAから形成されるアイソプラストン、ニューロプラストンなどのアルデヒドは白血球の一種であるマクロファージの食作用を止めてしまうのです。
マクロファージは免疫システムの中核を担う細胞です。マクロファージとは、生体内をアメーバのように運動する食細胞で、死んだ細胞やその破片、体内に生じた変性物質、侵入した有害細菌やウイルスなどのあらゆる異物を捕食して消化し、体内の清掃を担当しており、免疫の中心的な大変重要な白血球です。
アルデヒドはこのマクロファージの働きを阻害するだけでなく、タンパク質分解酵素の働きもアルデヒドの存在でブロックされ結果、老化が促進されます。これが「アンチエイジング」の阻害要因にもなるのです。
アルデヒドと様々な健康問題
アルデヒドが体内で増加すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があります:
- 口臭・体臭の問題:加齢臭や腋臭、口臭も根源は、油酔いのアルデヒドと同類で、体内に潜む揮発性アルデヒドの影響です。
- 血液循環の問題:脳梗塞、動脈硬化、心筋梗塞、エコノミー症候群は、血をドロつかせる血餅発生の結果ですが、血餅の原因もタンパク質分解酵素がアルデヒドによってブロックされ血液がサラサラ流れなくなった結果です。
- 自己免疫疾患:自己免疫疾患は、変性した自分の細胞や組織に抗体が生成され、それによる慢性炎症が持続する症状です。これもアルデヒドによる免疫システムの混乱が一因と考えられています。
健康のための油の選び方
では、どのような油を選べば良いのでしょうか。不飽和度の低い油、つまり二重結合の少ない脂肪酸を含む油が望ましいと考えられます。
避けるべき油としては、青魚油、植物油全般、キャノーラ油、オリーブオイル、菜種油、コーン油、米油、大豆油、紅花油など、酸化されやすい身体に悪い不飽和脂肪酸類が挙げられます。
まとめ:真の免疫力向上のために
私たちの免疫システムの主要な働きは、体内の清掃作業です。私たちが「免疫」と呼んでいるその営みのメインは、多数の食細胞による体内のゴミの清掃作業でこれにより体内が犯されること無く健康が維持されています。
この清掃作業を妨げるアルデヒドの生成を減らすためには、オメガ3をはじめとする多価不飽和脂肪酸の過剰摂取に注意する必要があります。特に抽出された油の形での摂取は避け、できるだけ自然な形で食品を丸ごと摂取する「一物全体食」の考え方が重要です。
現代の栄養学が推奨する「健康的な油」の情報を鵜呑みにせず、人類の長い食の歴史と私たちの体の仕組みを考慮した油の選択が、真の免疫力向上につながるのです。


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